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「あなたはあなたでいいんだよ」
と認めてあげることが大切”
ソフィアの考える「セルフラブ」とは?
Chiyono:確かに、逆に外国人だから・ハーフだからというような言い訳もできない「日本人だからこうあるべき」という複雑なアイデンティティを抱えている方も多いかもしれないですね。もちろん国籍だけでなく、女だから、母だから、xxだから……みたいな。では、ソフィアが思うセルフラブとは何でしょうか?
Sofia:一つは、ありのままの自分を愛して認めることだと思っています。それはとても難しいことかもしれないけれど、そうなれるように努力するとか、そうなれるように考え方を少しずつ変えているとか。それ自体がセルフラブだと思います。二つ目は自分を赦すこと。過去に誰かを傷つけてしまった過ちや失敗をなかなか赦せなくて、罪悪感を抱えている人も多いんです。罪悪感を持っていると自分のことをなかなか赦せない。赦せないとなかなか愛せないんですよね。でも、そもそも完璧な人間なんていないので。ミステイクは誰でも起こす。そのこと認めて自分を赦してあげることが必要です。
Chiyono:ありのままを受け入れてそれを愛する、過去の罪悪感を手放して自分を赦す。なるほど、そうなんですね。他にもありますか?
Sofia:あとは、自分の身体と心の両方をバランスよくケアすること。運動や食べるもの、着るものも含めて心も身体も心地よいと思えるものを見つけて、続けていくことだと思います。
Chiyono:心地良さって、みんなそれぞれ大事なポイントは違いますよね。例えば、私だったら肌の状態が良い時や、好きなランジェリーをつけていたらテンションが上がるので、そこの優先順位が高いです。でもソフィアや他の人にとっては全然違うかもしれない。それこそ自分自身に対して、何を欲しているか、何が足りていないかをしっかり聞き取るエネルギーと時間をかける。そして、今足りていない要素をしっかり補ってあげることが大切なんですね。
Sofia:そうなんです。ただ、実際はみんな日々のスケジュールをこなすのに精一杯で、心の声を聞くことをつい後回しにしがち。本当に寝る間も惜しいほど時間がない人もいますよね。だから、まずは自分のために時間を作ってあげることが重要だと思います。
Chiyono:どんな人にも1日は24時間しかないので、タイムマネジメントはすごく重要なライフスキルですよね。その中で毎日・毎週・毎月など、無理のないペースで自分の声を聞き、ケアする時間をきちんと取ることが最初のステップかもしれませんね。
Sofia:私のクライアントの多くは、日頃からオーバーコミットしてしまう人が多いです。例えば、誰かに何かをお願いされたら断れない。そういう人はまず、なぜNOと言えないのかということに向き合う必要があります。そこには相手を傷つけることが怖いのか、行かないと何かを得られないんじゃないかという恐怖があるのかなど。次に誘われたらなんと言って断ればいいのかを事前に考えておくことで自分の時間を確保しやすくなると思います。
Chiyono:確かに断ることで自分が損した気分になるのではないか、もう誘ってもらえなくなるのか、という恐怖から、自分の時間を削ってまで無理してしまうとバランスが崩れますね。
Sofia:だからこそ、自分にとって自分の時間は大切だ、ということを肝に銘じないといけません。自分の時間がないとイライラして好きな人たちにも当たってしまうし、仕事のパフォーマンスを発揮できなくなってしまう。優先順位を高くしてこの時間を確保しないとベストな自分でいられないということをしっかりと把握することが大切です。
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セルフラブとは
ありのままの自分を愛して認め、赦すこと”
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コンプレックスの原因と向き合った先に光がある
”
Chiyono:そのなかには貞操観念とか、個人的な経験以外で作りあげられた慣習的な制限や思い込みもあるかもしれないですね。
Sofia:突然いつもと違うセクシーなランジェリーを身につけたら、パートナーに愛されないかもしれないとか、受け入れてもらえないかもしれないという不安から挑戦できない人は多そう。でも、本当にあなたのことを愛していれば、何を着ていようと愛してくれるはずだから、そんなことないって気がついて欲しいですよね。そういう方に対して、千代乃はどのように提案していますか?
Chiyono:センシュアルなデザインと言っても、見た目がそうだというだけじゃなくて、肌触りとか着けた時の気持ちの変化というのもデザインする上で考えています。だから、デザインはオーソドックスだけど、上質なシルク素材が肌にのった時にセンシュアリティを感じられるようなものにするとか、ネグリジェだったら歩いた時にフワッと身体中にシルクの繊維を感じて、触感を通してフェミニンな気分になれるものとか。アウターでは着られないけど好きな色を身に纏った気分とか。肌の感触と、自分で鏡を見た時にどういうふうに見えたいかという部分を詳しくヒアリングして無理のない範囲でデザインに落とし込むようにしています。
Sofia:Chiyono Anne で自分のためにランジェリーを作ることは、一種のヒーリングプロセスに近いのかもしれないですね。ブランドのフィロソフィーにはどんな身体も美しくて、どんな身体も綺麗なランジェリーをつける価値がある、身体の形なんて関係ないというメッセージがあると思うんですけど、それは千代乃自身がこれまで何千人もの女性の身体を見てきたから言えることで、本当に説得力がありますよね。
Chiyono:確かに、ブランドとしてもパートナーに見せるためというよりも、自分自身のためにということは常に発信してきていて、実際に自分へのご褒美やモチベーションアップのために作りに来てくださる方が多いです。そういう方にとっては、リアルな自分を他人(私)に見せて、オープンな環境(アトリエ)で自分はここが好きで、ここは好きじゃないと素直に伝えることで、自分がコンプレックスに感じていたことが、実は恥ずかしいことではないことに気がつくかもしれない。そこから出来上がったランジェリーを見て、作る前に想像していた着たときの感情やイメージを思い出して、なりたい自分に少しでも近づくことで一つのセルフラブになることができると信じています。
Sofia's Hint:
セルフラブを始めるための Quick Training
Daily Affirmations
Chiyono:最後に日常生活のなかで簡単にトライできるマインドリセットのコツや方法についても教えていただけますか?
Sofia:いつでもどこでも簡単にできるのは、アファメーションです。つまり、肯定的な言葉のこと。例えば「わたしはもっと自分を大事にします」とか、「わたしは自分の身体を好きになりはじめます」といった肯定的な言葉を1日に何度も声に出して言う。私たちの頭の中には常にいろいろな情報が流れてきて、特にネガティブな人ほど否定的な言葉ばっかり流れているんですよね。それに抵抗するために、自分の中で肯定的な言葉を繰り返すことで、思考回路が変わっていきます。これは実際に科学的にも検証されているんです。 YouTube にアファメーションの動画もたくさんあるので、それを聴きながら通勤するというのもおすすめ。千代乃は何かやっていますか?
Chiyono:アファメーションと呼べるかは分からないけれど、寝る前にパートナーに今日あったことや、思ったことを日記のような感覚で話すようにしています。ちょっと失敗しちゃったことも、次はこうするとか、明日からこういうふうに変わるとか。あとは、紙に書いたりもします。わたしは仕事柄ビジュアルから頭に入れることが多いので、文字にすることで受け入れやすくなる気がします。
Sofia:紙に書くのもすごくいいと思う。書いた紙を目に留まるところに貼っておいたり、写真に撮ってスマホの待ち受けにしておくのもおすすめです。人によって受け入れやすい方法は違うので、自分にあった方法でやるのが一番です。
Chiyono:アファメーション初心者の人におすすめの黄金ワードはありますか?
Sofia:スタンダードなものだと、「わたしは自分を愛し認めます」というアファメーションがあるのですが、中には「いや別に愛してないし、認めてないし」と拒否反応が出る人もいます。そういうときは自分の中でピンと来る言葉ならなんでもいいので、「わたしは自分を愛しはじめています」とか、「わたしは自分を愛するプロセスをはじめています」などと言葉をアレンジしてみてください。アファメーションは決まった言葉ではなくコンセプトなので、自分に刺さる言葉で自由に始めてみてください。
Chiyono:自分に心地のいい言葉で続けることが大切なんですね。習慣化させるためのコツも教えてください。
Sofia:私はまずは朝起きてすぐにやることで、心地よい気持ちで1日を始めることができます。それでも、誰かから嫌な電話があって気分が落ちたり、天気が悪くて疲れてしまったりと誰しも波があるので、お昼と夕方にもスマホのアラームをセットして、自分の決めたアファメーションの言葉を繰り返すようにしています。私は「喜びのアラーム」と呼んでいますが、そのアラームが鳴ったら5つのワードを3回ずつ読み上げる。声に出さなくてもいいし、1分もかからないはずです。そのときに笑顔を意識すると気持ちが安定します。微笑むだけで幸せホルモンが出るから、とにかく習慣として1日3回やることをおすすめします。
Chiyono:サプリメントに近いかもしれませんね。即効性があるものではないけれど、だんだんと細胞全部に行き渡っていつの間にかそういう思考になるという。
Sofia:私もはじめて「わたしは自分を愛し認めます」ってアファメーションを見たときは、「何これ、馬鹿じゃないの?こんなことを言うだけで変われるわけないじゃん」って思っていました。そのときはすごく拒否してしまったけど、やっぱり変わりたかったからやってみました。
Chiyono:そんなふうに思っていた人でもこんなに変わるから、すごいことですよね。私もソフィアのインスタで見てきたけれど、自分のためにはやっていなかったなと気がつきました。忙しいとついつい後回しにしてしまうけれど、時間もかからないし明日から習慣にしてみようと思いました。
Sofia:みんな自分の人生でずっと一緒の人間ってたった一人しかいなくて、それは自分自身だと思うんです。一生の付き合いになる唯一の存在だからこそ、自分との関係をよくして、自分を大切に幸せな人生をみんなに作って欲しいなと思います。